3/10/2013

「遺体~明日への十日間~」


今日も昼からユナイテッドシネマとしまえんで映画を観る。

きょうは君塚良一脚本・監督の「遺体~明日への十日間~」。石井光太のルポルタージュを元に淡々と釜石の遺体安置所の十日間を描写している。ドキュメンタリーではないが、基本的に事実をそのまま描いているだけなので感動的な奇跡やドラマチックな盛り上がりはない。生き残った者と遺体があるだけだ。また、基本的に遺体安置所から出ることはないので遺体安置所外の出来事はほとんど描かれない。その意味では、この映画は東日本大震災を描いた映画ではなく、遺体とその遺族、関係者を描いた映画だ。「踊る大捜査線」の映画脚本ですこぶる評判の悪い君塚良一だが、この映画では妙な演出はなく淡々と日々の経過を描写している。そういう意味では抑制がきいていて好感の持てる映画だった。ともすれば自衛隊や死体検案をした医師、消防団などを美化してまつりあげるようなものになりがちだが、この映画ではそれぞれの立場の人が自分の出来る限りのことをしている。見ていればそれがどれほど辛く大変なことなのかは自然と伝わってくるようになっている。

きょうの東京は昼前には非常に暖かかったのだが映画が終わって出てくると雲が出ていて強風で気温も下がっていた。煙霧ということで風と埃がすごかった。

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